この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
小学生のお子様2人がいらっしゃるご夫婦のご主人様からの依頼です。すでに別居中で、お子様はお父様が養育している状態でしたが、奥様が、子供を自分に引き渡してほしい、離婚までの監護者(養育者)を奥様にしてほしい旨の調停を申し立てました。親権についても争われることが確実な事案でした。
解決への流れ
一般的に親権では父親がかなり不利であるというのが現実です。そのため、どれだけお父様が親権者として適任かを主張・立証するのに腐心しました。具体的には、①過去においてお父様が育児のかなりの部分を担っていたこと、②現在、お父様が現に養育していて特段問題ないこと。しかも、現在、養育するようになった経緯は別にお父様がお母様(奥様)を子供から引き離したという事情があるわけではないこと、③子供たちとしてもお父様をどちらかと言うと好ましく思っていることなどを具体的に主張しました。最終的には、奥様が納得し、裁判まで行くことなく話し合いでお父様を親権者とする内容での離婚が成立しました。もっとも、親権者ではないからといって面会ができないというのは、お子様にとっても、奥様にとっても不幸なことなので、面会については随時できるような和解としました。
父親が親権を獲得するのは正直難しく、親権を獲得できたこと、しかも、奥様も納得して最終的には円満に解決できたことは、自分でもいい解決であったと思います。お父様が親権者として適任であることを丁寧に主張・立証したことがよかったのだと思います。なお、お子様は現に養育している側に迎合しやすい傾向があることと、お子様を夫婦間の紛争に巻き込むことは適切でないことから、お子様の心情についてかなり気を遣う必要があります。