この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
相談者は、父親が経営する会社が某政府系金融公庫から事業資金を借りる際、連帯保証人となっていましたが、会社の経営が悪化したため裁判を起こされていました。相談者は、1400万円近い負債について返済しようがなく、かといって自宅住居もあるので自己破産だけは避けたいと考えていました。
解決への流れ
債権者が某政府系金融機関1社のみであったこと、相談者がサラリーマンであったこと、相談者には配偶者と子供が二人おり可処分所得がそれ程大きくならないこと、自宅住居を守る必要があることから、住宅資金特別条項付き給与所得者等再生を申し立てました。その結果、1400万円近くあった負債を300万円弱まで減額してもらい(80%免除)、3年36回で月8万円弱の返済となりました。自宅住居も手放さずにしみました。
個人再生にも小規模個人再生と給与所得者等再生があります。小規模個人再生の場合、半数を超える債権者の反対、あるいは債権額の半額を超える額の債権を有する債権者の反対があると手続が通りません。これに対し、給与所得者等再生の場合、債権者の反対があっても通る可能性がありますが、可処分所得の2年分は最低限支払わねばならず、収入の多い独身者の場合、返済しなければならない金額が大きくなりすぎ現実的に生活を維持できなくなってしまうこともあります。政府系金融機関や保証協会は、安定した給与のあるサラリーマンが小規模個人再生を申し立てた場合、再生計画案に反対してくることがよくあります。その場合、債権者の顔ぶれ・家族構成・収入の状況等を元に、小規模個人再生で大丈夫か、給与所得者等再生を申し立てて現実的な再生計画案になるかどうか、慎重に検討する必要があります。