この事例の依頼主
30代 女性
相談者はシングルマザーの女性で、実家で暮らしていました。生活費の不足や子どもの生活用品の購入などのため、約10年間で借金が150万円程度にまで増えてしまいました。実家暮らしなのでそこまで大きな生活費はかかりませんが、子どもがまだ小さいため正社員として働くことができず、月の収入は手取りで13万円くらいでした。利息が高額なため、毎月の返済額も10万円近くになってしまっており、収入の大半が返済に消えていきましたが、他方で父親が厳格な人であったため、借金について相談することが出来ずに苦しんでいました。また、すでに返済については限界を迎えており、いつ債権者から督促の手紙が来てもおかしくない状況となってしまっておりました。このままではどうしようもなくなってしまったため、最悪父親にも打ち明ける覚悟で、まずはガーディアン法律事務所に相談に来られました。
受任後、弁護士と今後の最善の解決に向けて話し合う中で、相談者の一番の希望は父親に知られずに債務整理することでした。この方は、収入額も多くはないため、状況からすると自己破産も可能ですし、経済的なメリットも大きく見込まれました。他方で、父親が相談者本人名義でかけている保険があり、その保険の内容も分からなかったため、自己破産をすると裁判所からその保険について調査が入る可能性がありました。そのため、自己破産を選択すると父親に知られてしまう可能性が一定程度ありました。そこで、他人に知られるリスクの最も低い任意整理を検討することといたしました。方針決定後、弁護士はまず債権者から依頼者の自宅宛にくる督促の連絡を止める必要があったため、受任した当日に債権者に受任通知を発送いたしました。これにより受任当日に債権者からの督促を止めることができました。その後、この方の返済可能額が月に3万円であったため、各業者と交渉し、長期分割、短期分割を組み合わせた分割和解を組んだことで、月の収入から無理なく返済できる金額での分割和解を成立させることができました。依頼者が当初望んだ、親に知られることなく借金の整理を終えることができました。
当事者であれば、当然借金のことを親族に知られたくないという考えは誰しも考えることで、そのお気持ちは当然のことと思います。そのため、債務整理をすると「家族にバレるのでは?」とイメージしてしまい決断ができずに悩まれている方に多数お会いしてきました。しかし、この「知られたくない」という気持ちのせいで債務整理をすることを躊躇してしまい、状況を悪化させてしまっているケースを幾度となく見てきました。債務整理自体は非常に秘匿性の高い手続ですので、必然的に人に知られる手続ではありません。また、人に知られてしまう可能性がある場合でも、それを回避する方法を模索することは可能です。「知られたくない」から債務整理を躊躇するのではなく、「知られたくない」からこそ債務整理をする、という選択をしていただくために、弁護士にまずは相談して解決の糸口を見つけ出しましょう。