この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
「小さい子供がいるのに夫が度々自宅で暴れ、パトカーを呼ぶこともあった。恐ろしくて一緒に暮らせないので別居したが、今後のこともあるので早く離婚したい。」とのご相談を受ける。
解決への流れ
夫とは距離的にかなり離れており、別居後夫からの連絡もないとのことだったので保護命令の申立は不要と判断しました。離婚を求めて調停を申し立て、調停の際、夫と遭遇しないように裁判所にも協力を求めました。夫は暴力の自覚はなく、離婚を拒否したため、調停は不成立となりました。やむを得ず、離婚の裁判を起こしましたが、夫はあくまでも暴力を否認したことから、夫婦双方の尋問を行うこととなってしまいました。尋問当日、妻が夫と顔を合わせないように細心の注意を払い、法廷にはついたてを張り巡らせる「遮蔽」措置をとってもらいました。尋問でも夫は自分の暴力を否定しましたが、裁判官は妻の言い分を認め、離婚を命ずる判決を勝ち取ることができました。また、判決で夫に対する慰謝料の支払いも命じられ、後日、夫から判決どおりの慰謝料を支払ってもらうことができました。
本件は、夫のDVに苦しむ妻が勇気を出して離婚調停、離婚裁判を起こしたケースです。夫は一貫して自分の暴力を否定したことから、尋問が行われることになりました。尋問でも夫は暴力を否定していましたが、裁判官は、妻の誠実な話しぶりから妻の言い分を事実と認め、夫のDVを認定しました。妻は希望どおり夫と離婚ができ、養育費、慰謝料も受け取ることができました。なにより、お子さんたちと平穏な生活を始めることができたのが本当によかったです。