この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
依頼者は、万引きで前歴2回、前科3犯を有しており、執行猶予期間中の身でしたが、執行猶予期間が満了する直前に再び万引きをしてしまっていました。私は、起訴された後の裁判手続において依頼者の弁護人を務めました。
解決への流れ
依頼者は中度知的障害を抱えていましたが、事件を起こす前は、障害福祉サービスの利用には消極的で、幼馴染の助けを得ながら一人で生活していました。依頼者が万引きを繰り返すのは知的障害が影響している可能性があり、今後も一人で生活していくには障害福祉サービスの利用が不可欠であると考えられたため、私から依頼者に対して障害福祉サービスの必要性を説明したところ、依頼者は障害福祉サービスを利用することを受け入れました。そこで、私は市役所や社会福祉協議会の担当者と協議を行い、幼馴染の協力も得ながら依頼者が障害福祉サービスを利用するための環境を整えました。そして、裁判においてその結果を報告し執行猶予付判決を求めたところ、裁判官の理解を得ることができ依頼者に執行猶予付判決が下されました。
同種前科前歴が5件もあり、執行猶予期間中に犯行に及んでいれば、通常は執行猶予付判決は考えられません。本件では、依頼者が中度知的障害を抱えており、依頼者の幼馴染や市役所、社会福祉協議会、障害福祉サービス事業所等の協力を得て依頼者が更生していく環境を整えることができたという事情があったことから、幸いにも執行猶予付判決を得ることができました。それぞれの事件の特色を十分に考慮して対応することを心掛けております。刑事事件でお困りの際にはお気軽にご相談ください。