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「非常に知的で、礼儀正しく、ユーモアもあった」金正男氏「告白本」の著者が振り返る
2017年02月17日 12時43分

マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏とかつて交流があり、『父・金正日と私 金正男独占告白』の著者である東京新聞編集委員の五味洋治氏が2月17日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。正男氏の殺害について、五味氏は「非常にショックを受けている」と打ち明けた。

五味氏は2004年、北京の空港で偶然目撃したことがきっかけで、正男氏に関心を持ち、交流するようになった。その後、マカオや北京で計約7時間の直接インタビューや、約150通のメールのやりとりをまとめて、2012年1月に著書を出版した。最後のメールも、発売直前の2012年1月だったという。

五味氏によると、当時、正男氏から出版の許可を受けてたものの、「タイミングが悪いので、今はちょっと待ってほしい」といわれていたという。五味氏は「微妙な時期だったが、彼の思想、人間性を伝えることで、北朝鮮の関心が高まり、理解がすすみ、ほかの国との関係性が改善されると考えた」と出版の意義を強調した。

マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏とかつて交流があり、『父・金正日と私 金正男独占告白』の著者である東京新聞編集委員の五味洋治氏が2月17日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。正男氏の殺害について、五味氏は「非常にショックを受けている」と打ち明けた。

五味氏は2004年、北京の空港で偶然目撃したことがきっかけで、正男氏に関心を持ち、交流するようになった。その後、マカオや北京で計約7時間の直接インタビューや、約150通のメールのやりとりをまとめて、2012年1月に著書を出版した。最後のメールも、発売直前の2012年1月だったという。

五味氏によると、当時、正男氏から出版の許可を受けてたものの、「タイミングが悪いので、今はちょっと待ってほしい」といわれていたという。五味氏は「微妙な時期だったが、彼の思想、人間性を伝えることで、北朝鮮の関心が高まり、理解がすすみ、ほかの国との関係性が改善されると考えた」と出版の意義を強調した。

●正男氏の人間性は?

正男氏の思想や人間性はどういうものだったのか。五味氏は会見で次のように振り返った。

「遊び人で、女性関係も複雑で、ギャンブル狂という噂があったが、(実際に会ってみると)非常に知的で、礼儀も正しく、ユーモアもあった。非常に落差を感じた」

「彼は、北朝鮮の体制に批判的だった。権力の世襲は時代にあわず、民主的な方法で権力者を選ぶべきで、改革・開放しか北朝鮮が生き残る方法はないと考えていた」

「彼は少なくとも5回来日している。『東京の高級な飲食店でお酒を飲むのが好きだ』と言っていた。そこでは、韓国系、北朝鮮系、一般の日本人もいて、酒を飲んで楽しんでいた。『いつか、こんなふうに世界に壁がなくなればいい』と話していた」

●後継者争いから外れた理由は?

正男氏は2001年5月、偽造パスポートで日本に入国しようとしたところ、成田空港で拘束されて、強制退去処分となる事件があった。当時の報道によると、正男氏は「東京ディズニーランドに行きたかった」などと話していた。

この事件がきっかけで、正男氏は、父・金正日(キム・ジョンイル)氏の後継者争いから外れたとみる向きもあるが、五味氏がこの点についてたずねたところ、正男氏は「日本に来たことが直接、世襲から外れる原因になったとは思わない」と答えたという。

五味氏は「彼は9歳からジュネーブに留学し、20歳になる前にいったん帰国した。そのときに正日氏と全国を歩いて、経済的な開発の様子を視察したらしい。しかし、ヨーロッパでみてきた社会のありかたと、北朝鮮の社会のあり方が違っており、正日氏と意見対立して、最終的に北朝鮮を去ることになった」と説明していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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